Surferosaライブレポ

2004年7月15日
2004年6月22日。
Surferosaなるバンドのライブがあるということで先輩がサークルの中で行きたい人を募り、ちょうど私が行きたかったので連れて行ってもらうことになりました。
しかし私はこのとき、Surferosaがどんなバンドかは露知らず。
何かライブに行きたくて仕方なかったと言うのがぶっちゃけた本音です。コンサートじゃなくて、ライブというものに行きたかったの。
先輩の前情報で彼らがノルウェーの5人組バンドだということは分かっていたのだけれど…とにかくライブ会場に入ってみることに。
原宿アストロホールは前にRhett Millerを見に来たことがあったので非常に懐かしい感じですね。
ここは派手な演出は出来ないけれど、シンプルで直球なライブが見られるのが素敵。
そしてここ、アストロで行われるニュー・ブラッドは期待の新人アーティストが集うことで有名で。
Vol.1はGood Charlotteだったというから驚きです。いまや超大物の域。最近だと、KASHIMIRとかLast days of Aprilとか来ましたね。
そのVol.23が今回の、Surferosaにあたるわけです。

会場は程よく埋まっている感じでした。
でも、前に出てくる人が少なかったかな。観客は後ろのほうが多め。
五分か十分ほど遅れて、前座のバンドGreat Adventureが出てきました。
(私は最初これをSurferosaと勘違いして、Vo.が女じゃない!と驚愕した…/笑)
これが、非常に見ごたえのあるバンドで。凄いんですよもう!!
ギターとベースが二人で、その場で音楽を「作ってる」感じ。3ピースだとは思えないほどの充足感。
ドラムも良かったんだけど、とにかく二人は強烈でした。
ギターはYuujiでベースはKazutoというんだけど、私的にYuujiのパフォーマンスが凄すぎです!
機材を使って電子音のノイズとかをどんどん入れていくんだけど、それがうざったくならないの。
(本当は擬音語を使って説明しようと思ったんだけど恥ずいのでやめます)
寧ろ高揚感たっぷりで、いつの間にか黒船もジャンプしているような状態。
しかし彼らの世界観と言うのは独特で、
爆音でスリリング、ものすごく興奮するという点では本当、真のロックライブに入ると思われる。
頭で考えただけじゃ絶対、こうはならないんですよ。
そこにロックのケミストリーを感じました。面白い。

で6曲くらい彼らがパフォーマンスして終わると耳がキンキンしてるのに気づく。
音量がステージの右側だけ異常に大きかったんです。
モロにそこにいた黒船は聴覚障害になるかと思ったくらい(笑)
そこで中央に移動。ちょうど前から4列目くらいで、いい場所に来ました。
しばらくすると、バンドが登場。
で、そこで何といっても視線が集まるのは

マリアンの服ですよ。

いやーまさか全身タイツで来るとは思わなんだ。
しかもミント色と黒と茶色(のラメだったような)の組み合わせですよ。何気に合ってるし。
何というか、あそこまで雰囲気を作れちゃう人ってそうはいない。
ブロンディのデボラとかノーダウトのグウェンとか、
音楽性は違うけどああいうタイプですね。
激しいんだけど何をしても綺麗なブロンド美女、というか。
で、曲が始まると共に奇妙な踊りを始めたりとかして。
最初にやった曲が何かは覚えてないけれど、とにかく不思議な踊りでした…
曲もちょっと80’s混ざったパンクというか、ポップというか。
究極に激しいんだけど、音だけ聞くとポップなので、そこがまた不可思議。
後々聞いた話だと彼らはこの音楽スタイルを「スラッシュ・ポップ」と呼んでるんだそう。納得の一言。

で、シングル「Lucky Lipsticks」をはじめとして、最新アルバム「上海私的心」からの曲を連打。
興味深かったのは「Chinese Moon」って曲かな。
彼らから見たチャイナって、こういうイメージなんだというか。
で、中国っぽく(あくまでも「っぽく」)してあるけど聞いてみるとSurferosaという感じ。
シンセを効かせてとびっきりチープに仕上げてあるのが逆に好感度高めです。
激しいナンバーも良かった。というか、思いっきりパンクみたいなのが性に合ってそう。
「Saturday Night」という縦乗りナンバーは私の大のお気に入り。
そしてこういうナンバーで飛び回って汗掻いて息が切れてもマリアンは綺麗なわけで、
そこがまた圧巻だったりしたのでした。

しかしパフォーマンスの派手なこと派手なこと。
体格のいいギターと細身のベースが二人でソロとか盛り上げていて面白かったわ。
で、その二人をクールにまとめるのがVo.のマリアン。
しかし行動が一番派手なのもマリアン。
ペットボトルの水を観客にぶちまけたり、(おかげでびしょびしょよ!←嬉しそう)
ステージから降りて観客を抱きしめたり。
嫌な人は嫌だろうけど(笑)、とっても密なライブだったと思う。
クアトロだから出来たってのもあるかもしれませんね。

最後に「Bim Bam Boom」と「Panorama」をアンコールで演って、綺麗にライブは終了。
最後まであのテンションを貫き通して終わりました(笑)。
Key.の人が愛想よく観客に手を振っていたのがちょっと印象的だったかな?
とにかくおなかいっぱい耳キンキンの、ロックライブを楽しむことができました。
こういうライブ、また行きたいなあ。

Stevie Nicks

2004年6月1日
Stevie Nicks。私が最も尊敬する女性の一人であり、同時に最高のミュージシャンである。
私の父はその昔洋楽に傾倒したことがあるらしく、私の家にはFleetwood Mac、Samantha Fox、Madonna、Toni Braxton…等が何段か並んでいた。洋楽にはまった当初は専らアイドルばかり聞いていたため、それらに対する興味は皆無。しかしある時ふと、Goo Goo Dollsのライナーでベンモント・テンチの名を見つけた。アルバム「Dizzy up the girl」でキーボードをプレイしていた彼はStevieのアルバム制作の常連だったのだ。それがきっかけで私は父のアルバムを棚から出し、徐々に聞くようになった。そして時折ヴォーカルをつとめていたStevieの存在感のある声に、魅了されたのである。
彼女はソロとしては、主に80年代から活躍し始める。当時の曲を聞くと80年代の空気を如実に伝えるものの、他の80’Sとは一線をかしているのが興味深い。そこにはStevieという女性の真っ直ぐさが表れているように思う。
ところが90年代に入り、彼女の作風は変化し始めた。94年の「Street Angel」、01年の「Trouble in Shangri-la」と作品を追うごとに強くなるのだが、オールドスタイルの曲調や、内面に棘が向けられている様子が感じられる。歌世界は既に円熟の域を超え、経験に裏打ちされた確かな音楽性を通して彼女自身がよりダイレクトに感じられるようになった、といえばよいのだろうか。殊に最新作では様々なゲストも迎え、女性アーティストとしての素晴らしさを存分に表現しているように見える。
Fleetwood Macが活動を再開し、彼女が再び音楽シーンに帰ってきている。そんな今という時に彼女の「うた」を聞くのも、そしていち女性として視点を重ねるのも、なかなか良いものだと思った次第である。

AAA

2004年5月6日
「AAAって結局何?」
良くこういった類の質問をされる。しかも、洋楽にかなり精通している方からも聞かれる事が多い。あまりにも漠然としたこのカテゴリを、どう捉えていいのか分からないのだという。
AAA=Adult Alternative Album。アメリカのラジオステーションで、大人のためにハイ・クオリティーな大衆音楽を流したのが始まりだ。ロックを中心にポップス、ジャズ、クロスオーヴァー、…良い物であれば隔たりなくかけるという。チャートを見てみると、「アダルトコンテンポラリーとモダンロックが融合したような」印象を受けるかもしれない。
私はこのAAAという言葉を知った当初、「アメリカで売れない音楽を売り出すための戦略なのでは」と、少なからず考えた。実際当時LifehouseやNorah Jonesが次々とラジオヒットに因るブレイクを果たし、AAAという言葉ににわかにスポットが当たっていたのだ。今考えると、思考がひねくれていたのかもしれないと、少々反省する面もある。
しかしAAAは、私に「出会いの場」を与えてくれた。AAAをきっかけにして、多くのアーティストと出会う事が出来たのである。ラジオ、雑誌等でAAAと紹介されていれば私は自然とその音楽に耳を傾けていたのでジ、ャケやジャンルなど些細な事で聞かず嫌いになっていた曲も、先入観無しに受け入れる事が出来た。
もう一つのAAAの良い所は、その不変性にある。進化し続ける音楽は、何年もすれば色褪せてしまうものが多い。その点AAAは、刺激的でも先進的でもないけれど、いつまでも変わらぬ魅力を持つ。そのメロディと、クオリティの素晴らしさゆえに。
AAAとして紹介される音楽の全てが好きなわけではない。しかし、それらは一聴してみる価値のあるものばかりだ。誰かがその中で、自分のフェイバリットとなる曲やアーティストに出会える事こそが、私にはAAAの価値であるように思われるのである。

Jars Of Clay

2004年4月27日
やさしくて、静かで、穏やかなコーラスに、私は知らぬ間に癒されていた。2001年、Jarsが4thアルバム「the eleventh hour」をリリースした頃のことである。視聴機で聴いた曲の数々がいつまでも頭から離れず、数ヶ月余韻が頭を支配していた。
しばらくして知ったのだが、Jarsは本国でクリスチャン・バンドとしてカテゴライズされていた。日本においてクリスチャン・ミュージックは一般には認知度が低く、私も最初はなかなか馴染めないものがあった。私がラブ・ソングだと思ってきた曲は、その大半が宛先に「神様」と明記されたものであったわけである。しかし、よくよく歌詞を読んでみると、改めてその素晴らしさに気づくようになったのだ。神という絶対的な概念への感情が嘘偽りなく描かれ、またそれはどの宗教にも、どの個人にも言えることであるほど素直だった。私は無宗教であるが、彼らの神への想いには痛いほど共感した。

彼は笑い声よりも、
天に煌く星よりも気高く
心の高鳴りや
彼女の唇からこぼれ出る歌に限りなく近い
いつか彼女は彼を信じるだろう
そして彼をどうしたら見ることが出来るかを
いつか彼は彼女を呼ぶだろう
彼女は走りついて、彼の腕に抱かれ
涙を目に浮かべて言うのだろう
「あなたと恋に落ちたい」と

例えば上記は、彼らのデビューアルバムに収められた「Love song for Savior」という曲の一節を訳したものであるが(下手ですみません)、ここで歌われている感情は何も神にばかり当てはまるものではあるまい。恋愛、隣人愛、果ては世界愛まで、自らの対象を「愛する」という感情は何よりも確かで、何よりも皆に共通なのだ。
詞について多くを語ってきたが、彼らは技術的にも非常に長けたバンドである。主体はロックでありながら、曲によってはゴスペル、フォーク、ジャズ、クラシック等を絶妙な感覚で取り入れる所は何とも心憎い。演奏においても並外れた実力が感じられ、グラミー賞三度の受賞も妥当であるといえるだろう。
そして何と言っても、彼らの最大の魅力はそのピュアさにある。私たちが忘れかけている純粋な感情を呼び起こしてくれる、また音楽の本来の形を再認識させてくれる。その意味で私は、いつまでも彼らの音楽を聴きつづけていたい。

Fuel

2004年4月27日
ある地上波の番組で、ビルボードのカウントダウンが行われていた。毎週いくつかのプロもをピックアップしてフルで流すという内容なのだが、この日、私は言葉に出来ない衝撃を受けた。Fuelの「Hemorrhage(in my hands)」を聞いて。
プロモーションビデオの意味するところは私には良く分からなかった。「彼女」は、死んでしまったのか?現実と夢の境はどこなのか?今でも疑問は募るばかりだが、Brettのヴォーカルには全てを吹き飛ばすような力強さがあった。辛い、悲しいことを歌われて押しつぶされそうな圧迫感を感じながらも、その声が自分をどこかで解放しているようだった。
Fuelの曲は、一般的に「王道アメリカン/ロック」と称されることが多い。確かに音の厚みや乾いた感じはUS独特のものであるけれど、王道と呼べるかというと違うと思う。彼らの曲には、特有のグロテスクさが感じられる。そのグロテスクさが曲に、良い意味で不安定感を与えているのではないだろうか。だから中心でありながら中心の存在しない、不思議な感覚がFuelの曲に現れる。まさにFuelにしか出せない音世界だ。
ともかく、そのようなFuelに10代の私は物凄く共感したのを覚えている。何かとネガティブに考えがちな自分に、通じる部分があったから。詞世界にあるちょっとしたインテリジェンスも私を魅きつけた(Hemorrhageの歌詞は最高です)。多少音がヘヴィーであろうが、それすら快感に変えてしまう-‐彼らの曲は私にとって、魔力的な存在であったのである。
3rdアルバム「Natural Selection」がリリースされ、少々チャートアクションは控えめだったものの根強い人気を誇るFuel。近作はバラードが増えたが、「Running Away」等、聞けば聞くほど身体に浸透していく曲も多くある。今までも、そしてこれからも。私はFuelが心の奥底の感情をそっといたわり、握り潰して行ってくれることに期待しているのだ。

ラジオ

2004年4月23日
ラジオは素晴らしい。
最近こそ忙しくてなかなか聞く暇がありませんが、ラジオほどダイレクトにリスナーに音楽を届ける媒体も珍しいと思います。実際私が洋楽好きになるのに大いに貢献してくれたのがラジオ。気軽に、時間帯によってはとてもディープに音楽につかることが出来るのがとても素晴らしいのです。
というわけで、わたしの好きなラジオ番組を取り上げてみようかと思います。

[Dancin’ Groove/FM Yokohama]
ダンシンは現在、月曜日から木曜日の深夜にやってます。その中で私が好きなのは木曜、今泉圭姫子さんの日。80’Sからアイドルポップス、ロックまで幅広い音楽を取り上げていて、本当に大好きです。来日アーティストへのインタビューも核心を突いた質問が素敵だし、BlueやBSBのミニコーナーもアーティストの意外すぎる一面が見れてかなり貴重だったり。

[Rockin’ Groove/FM Yokohama]
最近DJが変わられたようで、聞いていない私には分かりませんが私は故福田氏がDJをされていたときの放送がお気に入りでした。辛口の批評は私にとってとても新鮮で、また古いレコードやらヒップホップも定期的にかけていたので、音楽に対する視野が一気に広がったように思う。

[Inter-Xpress/BayFM]
家に入りにくいBayFMの中で、唯一私が聴いていた番組。毎日二時間の放送の中で最新ヒットからレビュー、インタビューまでコンパクトに放送され、分かり易く的確な解説も含め勉強になりました。企画やプレゼントも多く、毎週聞く度に心躍らされる感じです。さらに最近ではAAA Nowというコーナーが出来るなど、飽きることなく楽しめます。

[Rick dees Weekly Top 40/AFN]
AMで聞くことの出来る米軍ラジオ放送で、土曜日に4時間で40曲をカウントダウンする番組。今のUSシーンが手に取るように分かるうえ、ゲストが異常に豪華です。BBMakやJewelが四時間丸々生出演とかあったような。こういうカウントダウン番組は「私はロックしか聞かないから」「メジャーなのは好きじゃない」というような妙なこだわりを取り除いてくれますし、自分の好きな音楽を再確認するきっかけにもなるのです。

Goo Goo Dolls

2004年4月20日 音楽
出会いは三年前。もう少し前だったでしょうか。弟の基礎英語2を録音するため、中三の私はAM693をつけていました。その番組で、今月の歌として流れていたのが、かの名曲「Iris」でした。
当時ポップスとか聞かなかった私にとって、それはとても衝撃でした。元々短めのクラシックをこよなく愛してた私にとって、ポップスって言うのはただの刺激でしかなかった。その認識を、180度きっかり覆されたようでした。悲痛な叫びにも似たジョンの声、さりげなく効果的なストリング、間奏。その何もかもが新鮮で、何故か「これを手放してはいけない」というような衝動に駆られました。
その日から、私のGoos人生、そして洋楽人生が始まったといっても過言ではありません。初めて自分でCDショップにはいり、レンタル屋を利用し、ラジオを聴く。情報ツールが身の回りになかった私にできることを、精一杯やったつもりです。音楽情報誌になかなか取り上げられず、さらに活動期でなかった事もあって、彼らがメディアに露出する事は全くなく非常に苦しい思いをしましたが、そのうちネット環境が整って今の状態があるわけです。
彼らの良さはなんと言ってもジョンの声だと思います。他にも素晴らしいところは多くあるけれど、焦燥と悟りに満ちた彼の声は、私にとってどんな声よりもエモーショナルでリアル。シンプルながら味わい深いメロディーと適度な速度感もあいまって、唯一無二の存在を作り上げています。
そんな彼らのフォロワーになって早三年。ニューアルバム、来日、と様々な事がありましたが、ついに今秋8枚目のアルバムが発売となります。Goosはきっと私をまた裏切ってくれるでしょう。今までいつもそうでしたから。Irisを聞いた後にDizzy〜を、Dizzy〜を聞いた後にA Boy〜を聞いたときのように、自分の期待とははるかに違うところで彼らは最高の音楽を鳴らし続ける。
私はだからこそ、彼らの音楽をずっと聴き続けたいと思うのです。

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