Jars Of Clay

2004年4月27日
やさしくて、静かで、穏やかなコーラスに、私は知らぬ間に癒されていた。2001年、Jarsが4thアルバム「the eleventh hour」をリリースした頃のことである。視聴機で聴いた曲の数々がいつまでも頭から離れず、数ヶ月余韻が頭を支配していた。
しばらくして知ったのだが、Jarsは本国でクリスチャン・バンドとしてカテゴライズされていた。日本においてクリスチャン・ミュージックは一般には認知度が低く、私も最初はなかなか馴染めないものがあった。私がラブ・ソングだと思ってきた曲は、その大半が宛先に「神様」と明記されたものであったわけである。しかし、よくよく歌詞を読んでみると、改めてその素晴らしさに気づくようになったのだ。神という絶対的な概念への感情が嘘偽りなく描かれ、またそれはどの宗教にも、どの個人にも言えることであるほど素直だった。私は無宗教であるが、彼らの神への想いには痛いほど共感した。

彼は笑い声よりも、
天に煌く星よりも気高く
心の高鳴りや
彼女の唇からこぼれ出る歌に限りなく近い
いつか彼女は彼を信じるだろう
そして彼をどうしたら見ることが出来るかを
いつか彼は彼女を呼ぶだろう
彼女は走りついて、彼の腕に抱かれ
涙を目に浮かべて言うのだろう
「あなたと恋に落ちたい」と

例えば上記は、彼らのデビューアルバムに収められた「Love song for Savior」という曲の一節を訳したものであるが(下手ですみません)、ここで歌われている感情は何も神にばかり当てはまるものではあるまい。恋愛、隣人愛、果ては世界愛まで、自らの対象を「愛する」という感情は何よりも確かで、何よりも皆に共通なのだ。
詞について多くを語ってきたが、彼らは技術的にも非常に長けたバンドである。主体はロックでありながら、曲によってはゴスペル、フォーク、ジャズ、クラシック等を絶妙な感覚で取り入れる所は何とも心憎い。演奏においても並外れた実力が感じられ、グラミー賞三度の受賞も妥当であるといえるだろう。
そして何と言っても、彼らの最大の魅力はそのピュアさにある。私たちが忘れかけている純粋な感情を呼び起こしてくれる、また音楽の本来の形を再認識させてくれる。その意味で私は、いつまでも彼らの音楽を聴きつづけていたい。

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